ヒヤリ・ハットの積み重ねが重大な事故に?!散歩中気をつける3つのこと

子どもたちは大人の想定しない動作を突発的にしてしまう事が多くあります。特に保育園外に出掛ける際には注意が必要です。保育園外に出掛けているという開放的な気分がより突発的な行動を招くこともあります。
さて、ではその子どもたちの突発的な行動をどのように予防していけば良いのか…普段から先輩保育士はどのような点に注意しながら散歩に向かうのか気になりますよね。そこで、ヒヤリ・ハットとは何?というところから、実際にあった出来事、先輩保育士の気を付けている点などを交えお話していきたいと思います。
ヒヤリ・ハットとは何?
まず、“ヒヤリ・ハット”という言葉の意味からお話します。
ヒヤリ・ハットとは、重大な事故・災害には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見を言います。文字の通り『思いもよらない突発した出来事やミスにヒヤリとしたりハッとしたりするもの』のことを言います。
重大な出来事に至らないものの為、忘れられがちになるがこのヒヤリ・ハット体験の重なりが重大な事故を招く可能性もあります。ですので、このヒヤリ・ハット体験は見過ごすことなく、心の中に留め、2度と同じ事を繰り返さないことが重要です。
実際に起こったヒヤリ・ハット事例
保育士の経験した「ヒヤリ・ハットランキング」というものがあります。それによるとランキング1位は“転倒”、2位は“衝突”、3位は“遊具を使用中のけが”、4位が“アレルギー”、5位が“転落”などだそうです。このうち、散歩中に起こりうるものは4位以外すべてとなります。保育園外に出掛けていているため、園長先生の指示は仰げませんし…お散歩には危険はいっぱい潜んでいるということになります。
では、次に実際に私自身が勤めていた保育園で経験したヒヤリ・ハットの事例についてお話します。
<転倒>
仲良しの3人組のAちゃんBちゃんCちゃん。散歩先の公園で3人仲良く手を繋いで歩いていました。その矢先、「かけっこしようか?」のBちゃんの提案でかけっこを始めてしまいました。
「危ないよ」と声をかけようとした矢先…案の定、足がもつれてAちゃんが転倒、それに重なる形でBちゃんもCちゃんも一緒に転倒しました。今回は擦り傷だけで済みましたが、このようなケースも手が引っ張られることで脱臼したり子どもたちの体重が重なり合うことで骨折に至ったりと様々な危険が潜んでいました。
<遊具を使用中にケガ>
公園に遊びに行った時の事です。ある子どもAちゃんはブランコが大好き!そのAちゃんがいつものようにブランコで遊んでいると、嬉しくてテンションが上がったらしく喜びのあまりブランコのチェーン部分から手を放してしまいました。Aちゃんは、そのまま頭から転落し唇を自分の歯で傷つけてしまいました。すぐ近くに保育士がいたため、すぐに他の子どもたちを近づけないようにしたり止血をしたりしたので大事には至りませんでしたが、打ち所が悪くて大量に出血したり、ブランコから落ちた後ブランコで再度頭を打ったりする危険もはらんでいました。結果としてはケガをしてしまいましたが、本当にヒヤリとした出来事でした。
散歩中に気を付けたいポイントとは?
子どもたちは予想しにくい行動をとりうるとお分かりいただけたでしょうか?また、ある程度危険を予測していても実際に起こってしまう事はたくさんあります。ですので、なるべく危険予測のアンテナを張り巡らせておく必要があるのです。
では、散歩中に気をつけるべきポイントとはどのようなものかまとめてみました。
出掛け先の遊具の点検を日頃から行っておく
これは事故を防ぐために最も大切なことです。遊具のねじが出ていないか、破損部分はないのか、子どもたちが遊ぶ前にきちんと確認しておきましょう。
また、ゴミが落ちている場合にも注意が必要です。子どもたちは落ちている物に興味津々。よく拾って来るので、ケガをさせないためにもゴミにも注意を払いましょう。
横断歩道は短く、コンパクトな隊形を組ませる
横断歩道は時間が限られています。子どもたちを信号待ちの間に出来るだけコンパクトな隊形にしておき、信号が変わったらそのまま渡れるようにするとスムーズです。子どもたちを急がせ過ぎず、安全に渡らせてあげて下さいね。そして、子どもの歩くスピードを考慮して、信号が点滅し出したら無理せず次の信号を待ちましょう。
また、横断歩道を渡る際には、先頭、後方、真ん中部分に保育士が付き、安全に渡らせるようにしましょう。こうすることで保育士の目も届きやすく、信号での転倒、飛び出しを防ぐことが出来ます。
子どもたちが手を繋いで走っていたら、一人ずつで走るように声をかける
これは、実際に私の勤めている保育園でのヒヤリ・ハット経験から得た教訓です。
どうしても、二人以上で手を繋いでいると転倒の際にケガをしやすくなります。また、手をひねったりすると脱臼の危険もあるため一人ずつで走るように日頃から指導していくことが望ましいです。一人だと転倒しても、手をしっかりとついて衝撃をカバーできるためケガしても軽くて済みます。
まとめ
いかがでしたか?実際に散歩に出掛けてみると、子どもたちが自分の興味ある場所に向かって遊ぶのでバラバラになります。保育士同士で連携して、子どもたちを幅広くサポートしていくことが必要ですので、危険個所のアンテナを日頃から敏感にしておきましょう。この場所だと子どもたちの起こしそうな危険行動は何なのか?色々なパターンを考える柔軟な発想を鍛える訓練をしておくと良いですよ♪
これからますます暖かくなり、お散歩シーズンの到来です。危険なこともありますが、子どもたちにとってお散歩はとにかく楽しい時間!!危険予測しながら、一緒にお出掛けを楽しんでくださいね♪
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